平成28年度疑義解釈資料その2<医科診療報酬点数表関係>

疑義解釈資料の送付について(その2) 平成28年4月25日より
疑義照会資料追加と平成28年3月31日「疑義解釈資料の送付について(その1)」の訂正
医科診療報酬点数表関係
【再診料・外来診療料】
(問1)
区分番号「A001」再診料の注5並びに注6に規定する加算及び区分番号「A002」外来診療料の注8並びに注9に規定する加算については、所定の入院料と別途算定可能となったが、当該加算については、入院後に入院中の保険医療機関において別疾患で再診を受けた場合であっても算定可能であるか。
(答)
算定できない。
【一般病棟用の重症度、医療・看護必要度】
(問2)
「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票 評価の手引き」について、「Aモニタリング及び処置等」の「8 救急搬送後の入院」において、「救急搬送後の入院は、救急用の自動車(市町村又は都道府県の救急業務を行うための救急隊の救急自動車に限る)又は救急医療用ヘリコプターにより当該医療機関に搬送され」とあるが、転院搬送の場合も対象となるのか。
(答)
緊急時の転院搬送のみ対象となり、予定された転院搬送については対象とならない。
【療養病棟入院基本料】
(問3)
療養病棟入院基本料注11の規定により、100分の95に相当する点数を算定する場合には、特別入院基本料の例により入院基本料等加算を算定してよいか。
(答)
そのとおり。
(問4)
療養病棟入院基本料の「医療区分・ADL区分に係る評価票」17の、酸素療法を実施している状態(密度の高い治療を要する状態に限る。)について、「なお、肺炎等急性増悪により点滴治療を実施した場合については、点滴を実施した日から30日間まで本項目に該当する。」とあるが、点滴の実施期間が30日未満であった場合にも点滴開始後30日間は該当するのか。
また、30日間を超えて点滴を継続した場合は31日以降は該当しないのか。
(答)
肺炎等急性増悪により点滴治療が30日未満で終了した場合にも、開始から30日間は本項目に該当する。肺炎等急性増悪により点滴治療を30日を超えて実施した場合には、実施した日に限り、本項目に該当する。
【夜勤時間特別入院基本料/障害者施設等入院基本料】
(問5)
入院基本料の算定について、
- 夜勤時間特別入院基本料について、「それぞれの所定点数の100分の70に相当する点数を算定できる」とあるが、この所定点数は、加算を含まない入院基本料の点数(例 7対1入院基本料1,591点)を100分の70として算定してよいか。
- 区分番号「A106障害者施設等入院基本料」の「注2」における月平均夜勤時間超過減算の規定については、「注6」にある重度の意識障害の患者で医療区分2又は医療区分1の患者に相当する場合の各病棟区分別の入院基本料を算定する場合であっても適用されるのか。
(答)
- よい。
- 適用される。
【認知症ケア加算】
(問6)
認知症ケア加算1の認知症ケアチームは、週1回以上、各病棟を巡回することとなっているが、巡回の際、当該チームメンバー全員で行う必要があるか。
(答)
全員揃っていることが望ましく、少なくとも看護師を含め2名以上で巡回することが必要である。
【精神疾患診療体制加算】
(問7)
精神疾患診療体制加算2の算定日と、入院精神療法の算定日が同一週の場合に、入院精神療法の週あたりの算定回数を計算する際に精神疾患診療体制加算2の算定日についても、入院精神療法の算定日とみなすのか。
(答)
そのとおり。
【退院支援加算】
(問8)
退院支援加算1の施設基準において、当該医療機関の退院支援・地域連携担当者と、20以上の連携保険医療機関等の職員が年3回以上面会することとされているが、他の20以上の連携保険医療機関等の職員と、会合や研修等で一同に会すれば、当該要件を満たすこととなるか。
(答)
それぞれの連携保険医療機関等の職員と、直接に対面して業務上の意思疎通を行うことが必要であり、会合や研修で一同に会することでは、当該要件を満たすことにならない。
なお、退院支援において数か所連携保険医療機関等と退院調整の打ち合わせを行う等の場合には、全ての連携保険医療機関等の職員と相互に十分な意思疎通を図ることができれば、それぞれの連携保険医療機関等の職員と面会したものと扱うことができる。
【通院・在宅精神療法】
(問9)
児童思春期精神科専門管理加算の施設基準における、16歳未満の患者の数について、のべ患者数と実患者数のいずれをいうのか。
(答)
のべ患者数をいう。
【精神療養病棟入院料・地域移行機能強化病棟入院料】
(問10)
精神療養病棟や地域移行機能強化病棟に専任で配置する精神科医師の外来業務及び他病棟の入院患者の診療業務については、週2日以内とされているが、週2日以外の日に措置診察等に対応することが可能か。
(答)
予定外の緊急の重症患者への対応及び精神保健指定医の公務員としての業務(措置診察等)については、外来業務及び他病棟の入院患者の診療業務に含めず、必要に応じ従事することができる。
【入院栄養食事指導料】
(問11)
最初の入院時に栄養食事指導を行い、退院後数日で同一傷病により再入院した患者に対し栄養食事指導を行う場合、「初回」の入院栄養食事指導料を再度算定できるか。
(答)
「初回」の入院栄養食事指導料は、前回入院時と入院起算日が変わらない再入院の場合、算定できない。
【認知症地域包括診療加算】
(問12)
認知症地域包括診療加算について、「同月に、当該保険医療機関において以下のいずれの投薬も受けていないもの」が要件とされているが、各月の最
初の受診(再診)で投薬を受けていなければ必ず算定できると解釈されるのか。
また、月の初回の受診時には算定要件を満たしていたが、その後、同月内の受診で算定要件を満たさなかった場合の扱いはどのようになるか。
(答)
各月の最初の受診(再診)については、それ以前の投薬に関し当該受診の日まで薬剤数に関する要件を満たしている場合に限り、算定できる。月の初回の受診時に算定要件を満たしていたが、その後、薬剤数が増えたため算定要件を満たさなくなった場合には、その日からは当該加算を算定できないが、同月内の過去の受診に遡って加算を取り消す必要はない。
【小児かかりつけ診療料】
(問13)
小児科外来診療料については、初診を行いそのまま入院となった場合、当該診療料ではなく初診料を算定することとされているが、小児かかりつけ診療料についても同様か。
(答)
小児かかりつけ診療料についても同様の算定方法となる。
【退院後訪問指導料】
(問14)
区分番号「B007-2」退院後訪問指導料を入院していた保険医療機関が算定した日において、当該保険医療機関と同一の保険医療機関及び特別の関係にある保険医療機関は、医療保険では、在宅患者訪問看護・指導料を算定できないこととされたが、介護保険の訪問看護費は算定できるのか。
(答)
算定できない。
【在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料】
(問15)
在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料について、処方せんを交付しない場合の加算が創設されたが、当該月に処方を行わない場合にも算定できるか。
(答)
算定できない。
【国際標準検査管理加算】
(問16)
国際標準検査管理加算の施設基準に「国際標準化機構が定めた臨床検査に関する国際規格に基づく技術能力の認定を受けていること」とあるが、どのような認定が必要なのか。
(答)
ISO15189に基づく臨床検査室の認定について、「基幹項目」及び「非基幹項目」を対象として認定を取得することが必要。
(問17)
国際標準検査管理加算は、当該保険医療機関が取得している認定の対象となっている検査項目(例えば、ISO15189の「基幹項目」、「非基幹項目」に該当する検査項目)以外の検査については、加算できないのか。
(答)
認定の対象となっている検査かどうかに関わらず、検体検査管理加算(Ⅱ検体検査管理加算(Ⅲ)又は検体検査管理加算(Ⅳ)の算定と併せて、国際標準検査管理加算を算定できる。
(問18)
ISO15189に基づく臨床検査室の認定を取得してない保険医療機関が、当該認定を取得している衛生検査所に検査の実施を委託した場合、国際標準検査管理加算は算定できないのか。
(答)
当該保険医療機関が認定を受けていない場合は算定できない。
【検査・その他の検体採取】
(問19)
その他の検体採取の「6」鼻腔・咽頭拭い液採取について、同日に複数検体の検査を行った場合、検査の検体ごとに算定は認められるか。
(答)
1日につき1回の算定となる。
【検査・画像情報提供加算/電子的診療情報評価料】
(問20)
検査・画像情報提供加算と電子的診療情報評価料の施設基準に定める「厚生労働省標準規格に基づく標準化されたストレージ機能」について、厚生労働省標準規格とは具体的には何を指すのか。
(答)
「保健医療情報分野の標準規格(厚生労働省標準規格)について」の一部改正について(平成28年3月28日 医政発0328第6号・政社発0328第1号)に定める標準規格を指す。
なお、ストレージ機能については、当該通知において、SS-MIX2が含まれることとされている点に留意すること。
【造影剤注入手技】
(問21)
E003造影剤注入手技の3動脈造影カテーテル法について、「注2 頸動脈閉塞試験(マタス試験)を実施した場合は、頸動脈閉塞試験加算として、1,000点が加算される」とあるが、閉塞方法を問わず算定できるのか。
(答)
用手的な圧迫のみの場合は算定できず、バルーンカテーテルを用いて頸動脈閉塞試験を実施した場合のみ算定できる。
【投薬】
(問22)
F200薬剤料について、注2(例えば、3種類以上の抗不安薬)と注3(7種類以上の内服薬)の両方に該当する場合については、薬剤費をどのように算定するのか。
- 3種類の抗不安薬と、4種類の「向精神薬(抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬又は抗精神病薬)以外の薬剤」を投薬する場合
- 3種類の抗不安薬と、7種類の「向精神薬以外の薬剤」を投薬する場合
(答)
- の場合については、抗不安薬について所定点数の100分の80で、「向精神薬以外の薬剤」については所定点数の100分の100で算定する。
- の場合については、抗不安薬について所定点数の100分の80で算定した上で、抗不安薬を除いても注3の要件に該当することから、「向精神薬以外の薬剤」について、所定点数の100分の90で算定する。
【リハビリテーション料】
(問23)
疾患別リハビリテーション料の施設基準に基づいて専従配置された理学療法士等が、回復期リハビリテーション病棟入院料、又はADL維持向上等体制加算の施設基準に基づいて別の理学療法士等が専従配置された病棟でリハビリテーションを提供した場合、疾患別リハビリテーション料は算定できるか。
また、回復期リハビリテーション病棟入院料、又はADL維持向上等体制加算の施設基準に基づいて病棟に専従配置された理学療法士等が、当該病棟の入院患者に対し当該病棟以外の場所でリハビリテーションを提供した場合、疾患別リハビリテーション料は算定できるか。
(答)
いずれも算定できる。
(問24)
「医療保険と介護保険の給付調整に関する留意事項及び医療保険と介護保険の相互に関連する事項等について」の一部改正について(平成28年3月25日保医発0325第8号)によると、「目標設定等支援・管理料を算定してから3月以内に、当該支援によって紹介された事業所において介護保険におけるリハビリテーションを体験する目的で、同一の疾患について医療保険におけるリハビリテーションを行った日以外に1月に5日を超えない範囲で介護保険におけるリハビリテーションを行った場合は、医療保険における疾患別リハビリテーションから介護保険におけるリハビリテーションへ移行したものとはみなさない。」とされているが、こうした取り扱いとできるのはどの程度の期間か。
(答)
当該取り扱いは、介護保険におけるリハビリテーションを体験する目的であることから、一か所の通所リハビリテーション事業所につき、3月を超えることができない。
(問25)
心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅱ)の対象となる急性心筋梗塞及び大血管疾患は発症後又は手術後1月以上経過したものとされているが、例えば5月25日に手術を行った例は、6月1日からではなく、6月26日から心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅱ)の対象となるのか。
(答)
そのとおり。
発症又は手術の日の翌日から起算して1月を経過した日から対象となる。
(問26)
呼吸器リハビリテーション料の早期リハビリテーション加算を算定する場合、その期限について「発症、手術若しくは急性増悪から7日目又は治療開始日のいずれか早いものから30日に限り」とされているが、「発症、手術若しくは急性増悪から7日目又は治療開始日のいずれか早いもの」は当該30日の期間に含まれるか。
(答)
含まれる。
【通院・在宅精神療法】
(問27)
通院・在宅精神療法の算定について、「当該保険医療機関において、3種類の抗うつ薬及び3種類以上の抗精神病薬の投与の頻度が一定以下であること」を別紙様式40を用いた1月、4月、7月、10月の報告のうち直近のものを用いて判断することが必要となるが、10月においては7月の報告を用いて判断してよいか。
また、平成28年9月までは全ての医療機関が条件を満たすものとして扱われるが、平成28年10月についても、同様に条件を満たすものとして扱ってよいか。
(答)
いずれもよい。
11月、12月、1月の3ヶ月の診療報酬については10月の報告に基づいて判断することになる。
【認知療法・認知行動療法】
(問28)
認知療法・認知行動療法3の施設基準について、「うつ病等の気分障害の患者に対して、当該看護師が認知療法・認知行動療法の手法を取り入れた面接を過去に10症例120回以上実施し、その内容のうち5症例60回以上のものについて、患者の同意を得て、面接を録画、録音等の方法により記録して、1の(2)の専任の医師又はウの研修の講師が確認し、必要な指導を受けていること。」とあるが、「ウの研修の講師」による確認を行う講師は医師でなければならないか。
(答)
必ずしも医師である必要はないが、「ウ」の研修において、研修後、受講生による面接を確認する者として定められたものである必要がある。
(問29)
認知療法・認知行動療法について、「『1』、『2』及び『3』は、一連の治療において同一の点数を算定する。ただし、『3』の要件を満たす場合のうち、医師と看護師が同席して 30分以上の面接を行った日に限り、『1』の点数を算定できる。」とあるが、一連の治療において、「1」を算定すべきものと「2」を算定すべきものが混在する場合、どのように算定すればよいか。
(答)
一連の治療において、やむを得ず「1」を算定すべきものと「2」を算定すべきものが混在する場合に限り、それぞれにおいて算定すべき点数を算定してよい。
【排痰誘発法】
(問30)
区分番号「J115-2」排痰誘発法について、留意事項通知において「結核を疑う患者に対し」とあるが、結核患者の退院の可否を判定する等の目的で実施した場合にも算定できるか。
(答)
算定できる。
【処置・ロボットスーツによるもの】
(問31)
区分番号「J118-4」歩行運動処置(ロボットスーツによるもの)を実施するに当たって、初めてロボットスーツを装着する際には患者の体重、大腿長、下腿長、腰幅などを勘案して当該患者に適切な装着条件を探索する必要があるが、当該プロセスに係る技術はどのように算定するのか。
(答)
初めて当該処置を実施する場合の装着条件の探索については、1肢毎に区分番号「J129」治療装具の採型ギプスの「2」義肢装具採型法(四肢切断の場合)(1肢につき)に準じて算定する。
【超音波骨折治療法】
(問32)
「四肢の骨折に対する観血的手術の手術中に行われたものは算定できない。」が削除されたが、取扱いに変更があるのか。
(答)
そもそも当該治療法を手術中に行われるものではないことから、従前のとおり算定できない。
【自家培養軟骨組織採取術】
(問33)
特定保険医療材料である150 ヒト自家移植組織(2)自家培養軟骨については、機能区分が①採取・培養キット及び②調製・移植キットに細分化されたが、平成28年3月31日以前に区分番号「K126-2」自家培養軟骨組織採取術を実施したことから①採取・培養キットを算定しなかった患者が、平成28年4月1日以降に区分番号「K059」骨移植術(軟骨移植術を含む)4 自家培養軟骨移植術を実施した場合であっても、②調製・移植キットしか算定ができないのか。
(答)
区分番号「K126-2」自家培養軟骨組織採取術を平成28年3月31日以前に実施し、平成28年4月1日以降に区分番号「K059」骨移植術(軟骨移植術を含む)4 自家培養軟骨移植術を実施した場合に限り、「K059」の算定時に、特定保険医療材料150 ヒト自家移植組織(2)自家培養軟骨①採取・培養キット及び②調製・移植キットを算定できる。その際は、摘要欄に区分番号「K126-2」を実施した日付を記載すること。
医科診療報酬点数表関係(その1訂正)
【感染防止対策加算】
(問57)
感染防止対策加算において、感染制御チームによる1週間に1回程度の院内巡回が施設基準として規定されたが、
① 院内の巡回は施設基準で定められている構成員全員で行う必要があるのか。
② 院内巡回は、毎回全ての部署を回らなければならないのか。
(答)
① 全員で行うことが望ましく、少なくとも2名以上で行うこと。
そのとおり。
② 必要性に応じて各部署を巡回すること。
なお、各病棟を毎回巡回することとするが、耐性菌の発生状況や広域抗生剤の使用状況などから、病棟ごとの院内感染や耐性菌の発生のリスクの評価を定期的に実施している場合には、少なくともリスクの高い病棟を毎回巡回し、それ以外の病棟についても巡回を行っていない月がないこと。
患者に侵襲的な手術・検査等を行う部署についても、2月に1回以上巡回していること。
少なくとも各病棟を毎回巡回するとともに、病棟以外の各部署についても巡回を行っていない月がないこと。
【手術】
(問173)
区分番号「K695-2」腹腔鏡下肝切除術(亜区域切除、1区域切除(外側区域切除を除く。)、2区域切除及び3区域切除以上のもの)に関する施設基準において、関連学会と連携の上、手術適応等の治療方針の決定及び術後の管理等を行っていることとは具体的には何を指すのか。
(答)
現時点では、日本外科学会系のデータベースである一般社団法人外科系学会社会保険委員会連合におけるNational Clinical Database及び一般社団法人日本肝胆膵外科学会並びに肝臓内視鏡外科研究会における症例登録制度に症例を登録し、手術適応等の治療方針の決定及び術後の管理等を行っている場合を指す。
(問174)
区分番号「K703-2」腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術に関する施設基準において、関連学会と連携の上、手術適応等の治療方針の決定及び術後の管理等を行っていることとは具体的には何を指すのか。
(答)
現時点では、日本外科学会系のデータベースである一般社団法人外科系学会社会保険委員会連合におけるNational Clinical Databaseに症例を登録し、手術適応等の治療方針の決定及び術後の管理等を行っている場合を指す。