Ⅳ-4 患者本位の医薬分業を実現するための調剤報酬の見直しについて
患者本位の医薬分業を推進する観点から、以下のような見直しを行う。
(1) 現行の処方せん受付回数及び特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤割合に基づく調剤基本料の特例対象範囲について拡大する。
(2) 大型門前薬局の評価の適正化のため、医療経済実態調査に基づく薬局の収益状況、医薬品の備蓄等の効率性等も踏まえ、規模の大きい薬局グループであって、特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合が極めて高い等のいわゆる大型門前薬局については、調剤基本料の評価を見直す。
(3) (1)又は(2)で特例の対象となった保険薬局であっても、かかりつけ薬剤師としての業務を一定以上行っている場合には特例の対象から除外する。これに伴い、現在の特例対象を除外するための 24 時間開局の要件は廃止する。
(4) 妥結率が低い場合に調剤基本料の特例対象とする取扱いについては、薬局における妥結状況の推移等を踏まえ、一部見直す。
(5) 調剤基本料として算定する点数が随時把握できるように、算定する基本料の点数を施設基準の内容に含め、地方厚生(支)局へ届け出ることとする。
(6) 前述の「かかりつけ薬剤師・薬局の評価」(Ⅰ-3-1(4))、「在宅薬剤管理指導業務の推進」(Ⅰ-4(9))及び「対人業務の評価の充実」(Ⅲ-7)に係る調剤報酬の算定回数を踏まえ、かかりつけ機能に係る業務を一定期間行っていないと判断される薬局については評価を見直す。
目次
平成28年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(現時点の骨子)
Ⅰ 地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点
- Ⅰ-1 医療機能に応じた入院医療の評価について
- Ⅰ-2 チーム医療の推進、勤務環境の改善、業務効率化の取組等を通じた医療従事者の負担軽減・人材確保について
- Ⅰ-3 地域包括ケアシステム推進のための取組の強化について
- Ⅰ-4 質の高い在宅医療・訪問看護の確保について
- Ⅰ-5 医療保険制度改革法も踏まえた外来医療の機能分化について
Ⅱ 患者にとって安心・安全で納得できる効果的・効率的で質が高い医療を実現する視点
- Ⅱ-1 かかりつけ医の評価、かかりつけ歯科医の評価、かかりつけ薬剤師・薬局の評価について
- Ⅱ-2 情報通信技術(ICT)を活用した医療連携や医療に関するデータの収集・利活用の推進について
- Ⅱ-3 質の高いリハビリテーションの評価等、患者の早期の機能回復の推進について
- Ⅱ-4 明細書無料発行の推進について
- Ⅲ-1 緩和ケアを含む質の高いがん医療の評価について
- Ⅲ-2 「認知症施策推進総合戦略」を踏まえた認知症患者への適切な医療の評価について
- Ⅲ-3 地域移行・地域生活支援の充実を含めた質の高い精神医療の評価について
- Ⅲ-4 難病法の施行を踏まえた難病患者への適切な医療の評価について
- Ⅲ-5 小児医療、周産期医療の充実、高齢者の増加を踏まえた救急医療の充実について
- Ⅲ-6 口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の推進について
- Ⅲ-7 かかりつけ薬剤師・薬局による薬学管理や在宅医療等への貢献度による評価・適正化について
- Ⅲ-8 医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションや医療技術の適切な評価について
- Ⅲ-9 DPCに基づく急性期医療の適切な評価について