Ⅳ-3 残薬や重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬を減らすための取組など医薬品の適正使用の推進について
(1) 多種類の内服薬を服用している患者について、服薬に起因する有害事象を防止するとともに、服薬アドヒアランスを改善するために、当該患者に対して処方薬剤を減少させる取組を行い、処方薬剤数が減少した場合について評価する。
(2) 残薬、重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬を減らすための取組等、薬物療法の安全性・有効性の向上や医療費適正化の観点から、医師と薬剤師が連携して、患者の処方薬剤を適正化する取組を評価する。
- 医師と連携して服用薬の減薬等に取り組んだことを評価するため、重複投薬・相互作用防止加算については、算定可能な範囲を見直す。見直しに伴い、疑義照会により処方内容に変更がなかった場合の評価は廃止する。(Ⅲ-7(2)② 再掲)
- 調剤後における継続的な薬学的管理を推進するため、以下のような見直しを行う。(Ⅲ-7(2)③再掲)
ア 患者宅にある服用薬を薬局に持参させた上で管理・指導を行うことで残薬削減等に取り組むことを評価する。
イ 現行の基準に加え、やむを得ない事情がある場合等に、分割調剤を活用することを可能とする。これに伴い、分割調剤を行う場合の調剤基本料等の評価を見直す。 - 医師との連携による薬剤師の在宅業務を推進するため、在宅薬剤管理指導業務において、医師の処方内容に対する疑義照会に伴い処方変更が行われた場合を評価する。(Ⅰ-4(9)① 再掲)
- 保険医療機関と保険薬局が連携して、円滑に残薬確認と残薬に伴う日数調整を実施できるよう、処方等の仕組みを見直す。
(3) 薬剤師による服薬管理を推進する観点から、「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」を改正し、正当な理由なく療養に関する指導に従わない患者等を把握した場合について、保険者への通知義務を規定する。
目次
平成28年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(現時点の骨子)
Ⅰ 地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点
- Ⅰ-1 医療機能に応じた入院医療の評価について
- Ⅰ-2 チーム医療の推進、勤務環境の改善、業務効率化の取組等を通じた医療従事者の負担軽減・人材確保について
- Ⅰ-3 地域包括ケアシステム推進のための取組の強化について
- Ⅰ-4 質の高い在宅医療・訪問看護の確保について
- Ⅰ-5 医療保険制度改革法も踏まえた外来医療の機能分化について
Ⅱ 患者にとって安心・安全で納得できる効果的・効率的で質が高い医療を実現する視点
- Ⅱ-1 かかりつけ医の評価、かかりつけ歯科医の評価、かかりつけ薬剤師・薬局の評価について
- Ⅱ-2 情報通信技術(ICT)を活用した医療連携や医療に関するデータの収集・利活用の推進について
- Ⅱ-3 質の高いリハビリテーションの評価等、患者の早期の機能回復の推進について
- Ⅱ-4 明細書無料発行の推進について
- Ⅲ-1 緩和ケアを含む質の高いがん医療の評価について
- Ⅲ-2 「認知症施策推進総合戦略」を踏まえた認知症患者への適切な医療の評価について
- Ⅲ-3 地域移行・地域生活支援の充実を含めた質の高い精神医療の評価について
- Ⅲ-4 難病法の施行を踏まえた難病患者への適切な医療の評価について
- Ⅲ-5 小児医療、周産期医療の充実、高齢者の増加を踏まえた救急医療の充実について
- Ⅲ-6 口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の推進について
- Ⅲ-7 かかりつけ薬剤師・薬局による薬学管理や在宅医療等への貢献度による評価・適正化について
- Ⅲ-8 医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションや医療技術の適切な評価について
- Ⅲ-9 DPCに基づく急性期医療の適切な評価について