Ⅲ-9 DPCに基づく急性期医療の適切な評価について
(1) 調整係数については、今回を含め、2回の診療報酬改定において段階的に基礎係数(包括範囲・平均出来高点数に相当)と機能評価係数Ⅱに置き換えることとされており、平成 28 年度改定においても、調整部分の 75%を機能評価係数Ⅱに置き換える等、必要な措置を講じる。
(2) 機能評価係数Ⅰ・Ⅱについて、以下のような見直しを行う。
- 出来高評価体系における「当該医療機関の入院患者全員に対して算定される加算」、「入院基本料の補正値」等を機能評価係数Ⅰとして評価する。
- 現行の機能評価係数Ⅱの7項目(データ提出指数、効率性指数、複雑性指数、カバー率指数、救急医療指数、地域医療指数、後発医薬品指数)に加え、診断群分類点数表で表現しきれない重症患者への対応を評価する「重症度指数」を導入する。また、現行の7項目についても、必要な見直しを行う。
(3) その他
- 請求の仕組みについて、精緻化・簡素化の観点から必要な見直しを行う。
- DPC 導入の影響評価に係る調査(退院患者調査)については、検討に資す
る調査項目となるよう、簡素化を含めた必要な見直しを行う。
目次
平成28年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(現時点の骨子)
Ⅰ 地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点
- Ⅰ-1 医療機能に応じた入院医療の評価について
- Ⅰ-2 チーム医療の推進、勤務環境の改善、業務効率化の取組等を通じた医療従事者の負担軽減・人材確保について
- Ⅰ-3 地域包括ケアシステム推進のための取組の強化について
- Ⅰ-4 質の高い在宅医療・訪問看護の確保について
- Ⅰ-5 医療保険制度改革法も踏まえた外来医療の機能分化について
Ⅱ 患者にとって安心・安全で納得できる効果的・効率的で質が高い医療を実現する視点
- Ⅱ-1 かかりつけ医の評価、かかりつけ歯科医の評価、かかりつけ薬剤師・薬局の評価について
- Ⅱ-2 情報通信技術(ICT)を活用した医療連携や医療に関するデータの収集・利活用の推進について
- Ⅱ-3 質の高いリハビリテーションの評価等、患者の早期の機能回復の推進について
- Ⅱ-4 明細書無料発行の推進について
- Ⅲ-1 緩和ケアを含む質の高いがん医療の評価について
- Ⅲ-2 「認知症施策推進総合戦略」を踏まえた認知症患者への適切な医療の評価について
- Ⅲ-3 地域移行・地域生活支援の充実を含めた質の高い精神医療の評価について
- Ⅲ-4 難病法の施行を踏まえた難病患者への適切な医療の評価について
- Ⅲ-5 小児医療、周産期医療の充実、高齢者の増加を踏まえた救急医療の充実について
- Ⅲ-6 口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の推進について
- Ⅲ-7 かかりつけ薬剤師・薬局による薬学管理や在宅医療等への貢献度による評価・適正化について
- Ⅲ-8 医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションや医療技術の適切な評価について
- Ⅲ-9 DPCに基づく急性期医療の適切な評価について