HOME > 平成28年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(現時点の骨子) > Ⅲ 重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点 > Ⅲ-8 医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションや医療技術の適切な評価について

2016年1月16日

Ⅲ-8 医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションや医療技術の適切な評価について

(1) 薬価専門部会の議論を踏まえて取りまとめられた「平成 28 年度薬価制度改革の骨子」及び保険医療材料専門部会の議論を踏まえて取りまとめられた「平成 28 年度保険医療材料制度改革の骨子」を参照のこと。
(2) 医薬品・医療機器の価格算定に当たって費用対効果の観点を考慮することについては、選定基準に沿って対象品目を選定し、総合的評価(アプレイザル)を実施する専門組織を新設することにより、平成 28 年度診療報酬改定において試行的導入を実施する。
(3) 質の高い臨床検査の適正な評価を進めるため、以下のような見直しを行う。
  1. 新規臨床検査として保険適用され、現在準用点数で行われている検査について、検査実施料を新設する。
  2. 体外診断用医薬品の保険適用に係る取扱いについて、保険医療材料専門組織及び保険医療材料専門部会において議論を行うこととし、中医協議事規則等の変更を行う。
  3. 保険適用希望書が提出された体外診断用医薬品について、医療機器と同様に、保険適用希望書提出後から保険適用されるまでの間、評価療養に追加し、保険外併用療養費の支給の対象とする。
  4. 国際標準化機構に定められた国際規格に基づく技術能力の認定を受けている施設において行われる検体検査の評価を行う。
(4) 画像診断の適切な評価を行うため、以下のような見直しを行う。
  1. 64 列以上のマルチスライス型CT及び3テスラ以上のMRIについて評価を充実するとともに、適正かつ効率的な利用を促進する観点から、新たに多施設で共同して利用することを評価する。
  2. ポジトロン断層撮影の施設共同利用率の要件について、更なる共同利用の推進を図る観点から要件を見直す。
(5) 新たなコンセプトの医療材料保険適用を見据え、診療報酬の算定方法の放射線治療の部に、特定保険医療材料の節を新設する。
(6) 保険医療機関間の連携による病理診断に関して、診療情報の提供をした上で衛生検査所等と連携を行なっている場合や、外部精度管理に参加し、かつ、複数の常勤医師により鏡検を行っている等の質の担保を行っている場合についても評価を行う。
(7) 胃瘻造設術及び胃瘻造設時嚥下機能評価加算について、以下のような見直しを行う。
  1. 胃瘻造設術及び胃瘻造設時嚥下機能評価加算の施設基準要件となっている「経口摂取回復率 35%以上」の要件について、当該要件と別途、施設における嚥下機能及びその回復の見込みを適切に評価できる体制並びに嚥下機能の維持・向上に対する取組に関する要件を新たに設定する。
  2. 術前の嚥下機能検査実施の要件について、全例検査の除外対象とされて
    いる項目を見直す。
(8) 手術等の医療技術について、以下のような見直しを行う。
  1. 区分 C2(新機能・新技術)で保険適用された新規医療材料等について、それぞれ技術料の新設等を行う。
  2. 外科的手術の適正な評価を行うため、外保連試案の評価を参考に、診療報酬における手術の相対的な評価をより精緻化する。
  3. 医療技術評価分科会における検討結果等を踏まえて、医療技術の評価及び再評価を行い、優先的に保険導入すべきとされた新規技術の保険導入及び既存技術の診療報酬上の評価を見直す。
  4. 先進医療会議における検討結果を踏まえて、先進医療として実施されている医療技術について検討等を行い、優先的に保険導入すべきとされた医療技術の保険導入を行う。
(9) 医師主導治験において使用する同種同効薬の投薬及び注射に係る費用について、保険外併用療養費の支給の対象とする。

目次

平成28年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(現時点の骨子)

Ⅰ 地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点

Ⅱ 患者にとって安心・安全で納得できる効果的・効率的で質が高い医療を実現する視点

Ⅲ 重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点

Ⅳ 効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点