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2016年1月16日

Ⅲ-7 かかりつけ薬剤師・薬局による薬学管理や在宅医療等への貢献度による評価・適正化について

(1) 患者本位の医薬分業の実現に向けて、患者の服薬状況を一元的・継続的に把握して業務を実施するかかりつけ薬剤師・薬局を以下のように評価する。(Ⅰ-3-1(4)再掲)
  1. 患者が選択した「かかりつけ薬剤師」が、処方医と連携して患者の服薬状況を一元的・継続的に把握した上で患者に対して服薬指導等を行う業務を薬学管理料として評価する。
  2. 1の評価に加え、地域包括診療料又は地域包括診療加算が算定される患者に対してかかりつけ薬剤師が業務を行う場合は、調剤料、薬学管理料等に係る業務を包括的な点数で評価することも可能とする。
  3. かかりつけ薬剤師が役割を発揮できる薬局の体制及び機能を評価するため、基準調剤加算について、「患者のための薬局ビジョン」を踏まえ、在宅訪問の実施、開局時間、相談時のプライバシーへの配慮等の要件を見直す。
  4. 患者が薬局における業務内容及びその費用を理解できるよう、かかりつけ薬剤師を持つことの意義、利点等を含め、患者に対して丁寧な情報提供を推進する。
(2) 薬剤師・薬局による対人業務の評価を充実する観点から、以下のような見直しを行う。
  1. 薬剤服用歴管理指導料は、業務の実態も考慮しつつ、服薬状況の一元的な把握のために患者が同一の保険薬局に繰り返し来局することを進めるため、初回来局時の点数より、2回目以降の来局時の点数を低くする。ただし、調剤基本料の特例の対象となる保険薬局は除く。
  2. 医師と連携して服用薬の減薬等に取り組んだことを評価するため、重複投薬・相互作用防止加算については、算定可能な範囲を見直す。見直しに伴い、疑義照会により処方内容に変更がなかった場合の評価は廃止する。
  3. 調剤後における継続的な薬学的管理を推進するため、以下のような見直しを行う。
    ア 患者宅にある服用薬を保険薬局に持参させた上で管理・指導を行うことで残薬削減等に取り組むことを評価する。イ 現行の対象に加え、やむを得ない事情がある場合等に、分割調剤を活用することを可能とする。これに伴い、分割調剤を行う場合の調剤基本料等の評価を見直す。
  4. 継続的な薬学的管理を評価した服薬情報等提供料及び長期投薬情報提供料については、類似の業務内容を評価するものであることから、統合する。
  5. 対物業務から対人業務への構造的な転換を進めるため、内服薬の調剤料や一包化加算の評価を見直すとともに、対人業務に係る1の薬剤服用歴管理指導料等の薬学管理料を充実する。
  6. お薬手帳については、電子版の手帳であっても、紙媒体と同等の機能を有する場合には、算定上、紙媒体の手帳と同様の取扱いを可能とする。(Ⅱ-2(4)再掲)
  7. お薬手帳について、薬剤服用歴管理指導料による点数の差を設けている現行の取扱いを見直し、患者が手帳を持参して来局することで①の低い点数が算定できるようにする。
(3) 在宅薬剤管理指導業務を推進する観点から、以下のような見直しを行う。(Ⅰ-4(9)再掲)
  1. 医師との連携による薬剤師の在宅業務を推進するため、在宅薬剤管理指導業務において、医師の処方内容に対する疑義照会に伴い処方変更が行われた場合を評価する。
  2. 在宅患者訪問薬剤管理指導料については、薬剤師 1 人が行う算定制限及び同一世帯に居住している複数の患者に対して在宅患者訪問薬剤管理指導業務を行った場合の評価を見直す。
  3. 介護老人福祉施設に入所している患者に対して、施設での適切な服薬管理等を支援するために、薬局又は当該施設において保険薬剤師が行う薬学的管理を評価する。

目次

平成28年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(現時点の骨子)

Ⅰ 地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点

Ⅱ 患者にとって安心・安全で納得できる効果的・効率的で質が高い医療を実現する視点

Ⅲ 重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点

Ⅳ 効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点