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2016年1月16日

Ⅲ-3 地域移行・地域生活支援の充実を含めた質の高い精神医療の評価について

(1) 退院支援職種を重点的に配置した上で、退院後の地域生活に直結した訓練、退院後に利用可能な障害福祉サービス等の検討、準備等の支援を行い、長期入院患者の地域移行及び精神病床数の適正化に取り組む精神病棟への評価を新設する等、地域移行に関する評価を充実する。
(2) 長期入院後の精神疾患の患者及び病状が不安定な患者に対する集中的な支援の普及を図るため、精神科重症患者早期集中支援管理料における障害福祉サービスを同時に利用する患者の取扱い、夜間の往診及び訪問看護の体制
(3) 長期にわたり、頻回にデイ・ケアを実施している場合について、就労・就学、障害福祉サービスの利用等を含め、より自立した生活への移行を促すよう、必要な適正化を行う。
(4) 身体合併症を有する精神疾患患者に対する必要な医療提供体制を確保する観点から、以下の評価を拡充する。
  1. 精神科病院からの求めに応じ、身体合併症治療のため精神疾患患者の転院を受け入れた場合の評価
  2. 身体症状と抑うつ、せん妄等の精神症状を併せ持つ患者が救急搬送された際に、精神科医が診断治療等を行った場合の評価
  3. いわゆる「総合病院」において、身体合併症への対応を強化する観点から、精神病棟に、精神科の医師を手厚く配置した場合の評価
(5) 精神症状を有する入院患者に対する多職種での診療の普及を図るため、精神科リエゾンチーム加算について、チームを構成する看護師、精神医療の経験を有する精神保健福祉士等をより柔軟に確保できるよう、評価を充実させるとともに施設基準を見直す。
(6) 自殺企図により入院した重症の精神疾患の患者に対し、入院直後から退院後の一定期間、継続的に生活上の課題、精神疾患の治療上の課題等を確認し、指導を行った場合の評価を新設する。
(7) 抗精神病薬等の適切な処方を促す観点から、多剤・大量処方が行われている患者に対する評価を見直す。
(8) 児童・思春期の精神科医療の医療提供体制を確保するため、専門的な外来診療を提供している医療機関について、以下の対応を講じる。
  1. 16 歳未満の患者の精神療法について、入院医療体制を有する病院と同様、一定期間継続して評価を受けられる仕組みを設ける。
  2. 20 歳未満の患者の初診時等に、より専門的な評価や診療方針の検討を行った場合の評価を新設する。
(9) 薬物依存症に対し、一定の効果を有する集団認知行動療法プログラムを実施した際の評価を新設する。
(10) 認知療法・認知行動療法に対応する医師の負担を軽減する観点から、医師の指示の下、一定の知識と経験を有する看護師が、認知療法・認知行動療法の各面接の一部分を実施する形式の療法について評価を行う。
(11) 精神病床における結核等の二類感染症患者の受入れ及び療養環境の確保について評価を行う。

目次

平成28年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(現時点の骨子)

Ⅰ 地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点

Ⅱ 患者にとって安心・安全で納得できる効果的・効率的で質が高い医療を実現する視点

Ⅲ 重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点

Ⅳ 効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点