医療等分野におけるICT化 の推進について

レセプトの電子化が原則化されてからレセコンが一気に普及し、徐々に電子カルテも普及率を上げてきておりますが、2013年調査では、病院においてはオーダリングシステムは32.4%・電子カルテは21.7%の導入率であり、まだまだ医療分野でのICT化は進んでいない状況のようです。
診療所も含めてレセコンがほぼ導入されレセプトデータが医療機関・薬局での縦覧・突合出来るとはいえ、それぞれの患者データはIDが各システムで異なり、保険証の変更があったり、苗字が変わったり、住所が変わったりで医療連携じにおいて患者情報が統一化されていませんので、医療データの共有というのはまだ厳しいところのようです。
しかし、政府では医療等分野におけるICT化 の推進は掲げられて、マイナンバーを利用したインフラ設備なども含めた計画を進めています。
平成27年5月29日、総理大臣官邸で第6回産業競争力会議課題別会合が開催されましたのでそちらの資料内容を掲載いたします。
医療等分野のICT化推進のポイント
患者に提供するサービスの質の向上 | ||
病院や診療所の連携を推進 | 研究開発の推進 | 医療の効率化の推進 |
2020年までに実現するICTインフラ
Point1:医療連携や医学研究に利用可能な番号の導入 (マイナンバー制度のインフラを活用)
① 個人番号カードに健康保険証の機能を持たせる 【2017年7月以降(※)できるだけ早期】
→ 医療機関等の事務の効率化に資する。
② 医療連携や研究に利用可能な番号の導入 【2018年度から段階的運用開始、2020年の本格運用を目指す】
→ 医療機関や研究機関での患者データの共有や追跡が効率的に実施でき、医療連携や研究が推進される。
マイナンバー制度のインフラを活用
※2017年7月から、マイナンバー制度による、医療 保険者や自治体間の情報連携が開始される予定。
Point2:医療機関のデータのデジタル化 + 地域の医療機関間のネットワーク化
① 医療情報連携ネットワークの全国への普及・展開 【2018年度まで】 (全ての二次医療圏が地域の実情に応じて医療情報連携ネットワークを活用できる基盤を整備)
→ 医療機関や介護事業者等での効率的な情報共有が可能となる。
② 医療機関のデータのデジタル化として電子カルテを導入している一般病院(400床以上)の拡大 【2011年度 57% → 2017年度 80% → 2020年度 90%】
→ 医療の質の向上、医療機関等の経営の効率化に資する。 ※高度急性期、急性期病院は100%を目指す
Point3:医療データの利用拡大のための基盤整備
① 電子カルテデータの標準化の環境整備 【2020年度までに実施】
→ 異なる医療機関からのデータの集積、比較分析、データの共有が効率化し、研究開発等が推進される。
② 医療情報の各種データベース事業の拡充・相互利用 【2015年度からさらなる研究事業等を実施・2020年度を目標に利用拡大のための基盤を整備】
→ 医療に関する様々なデータの集積や、多様な分析が推進され、医療の質の向上、コスト・経営の効率化、 研究開発の推進等に資する。