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2015年4月4日

平成 27 年度介護報酬改定に関する Q&A【通所介護】

厚生労働省:平成 27 年度介護報酬改定に関する Q&Aより
(平成 27 年4月1日)

【通所介護】

○認知症加算・中重度者ケア体制加算について

問25 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成 11 年厚生省令第 37 号。以下「指定居宅サービス等基準」という。)第 93 条に規定する看護職員又は介護職員に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で2以上確保する必要があるが、具体的な計算方法如何。

(答)
例えば、定員 20 人の通所介護、提供時間が7時間、常勤の勤務すべき時間数が週 40時間の場合であって、営業日が月曜日から土曜日の場合には、常勤換算の計算方法は以下の通りとなる。
(本来であれば、暦月で計算するが、単純化のために週で計算。)

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① 指定基準を満たす確保すべき勤務延時間数
(例:月曜日の場合)
確保すべき勤務時間数=((利用者数-15)÷5+1)×平均提供時間数=11.2 時間
② 指定基準に加えて確保されたものと扱われる勤務時間数
(例:月曜日の場合)
指定基準に加えて確保された勤務時間数=(8+7+8)-11.2=11.8 時間以上より、上記の体制で実施した場合には、週全体で 84 時間の加配時間となり、84 時間÷40 時間=2.1 となることから、常勤換算方法で2以上確保したことになる。

問26 指定通所介護の中重度者ケア体制加算と認知症加算を併算定する場合、認知症介護に係る研修を修了している看護職員1人を、指定通所介護を行う時間帯を通じて配置すれば、認知症介護に係る研修を修了している看護職員1人の配置でそれぞれの加算を算定できるのか。

(答)
中重度者ケア体制加算の算定対象となる看護職員は他の職務と兼務することはできない。
このため、認知症加算を併算定する場合は、認知症介護に係る研修を修了している者を別に配置する必要がある。

問27 認知症加算及び中重度者ケア体制加算の利用者割合の計算方法は、届出日の属する月の前3月の1月当たりの実績の平均が要件を満たせば、例えば、4月 15 日以前に届出がなされた場合には、5月から加算の算定が可能か。

(答)
前3月の実績により届出を行う場合においては可能である。なお、届出を行った月以降においても、直近3月間の利用者割合については、毎月継続的に所定の割合を維持しなければならない。

問28 指定通所介護の中重度者ケア体制加算と認知症加算を併算定する場合、指定居宅サービス等基準第 93 条に規定する看護職員又は介護職員に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で4以上確保する必要があるか。

(答)
事業所として、指定居宅サービス等基準第 93 条に規定する看護職員又は介護職員に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で2以上確保していれば、認知症加算及び中重度者ケア体制加算における「指定基準に規定する看護職員又は介護職員の員数に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で2以上確保する」という要件をそれぞれの加算で満たすことになる。

問29 認知症加算又は中重度者ケア体制加算の算定要件の一つである専従の認知症介護実践者研修等修了者又は看護職員は、通所介護を行う時間帯を通じて事業所に1名以上配置されていれば、複数単位におけるサービス提供を行っている場合でも、それぞれの単位の利用者が加算の算定対象になるのか。

(答)
サービスの提供時間を通じて1名以上配置されていれば、加算の算定対象となる。

問30 通所介護を行う時間帯を通じて1名以上の配置が求められる看護職員(中重度者ケア体制加算)、認知症介護実践者研修等の修了者(認知症加算)は、日ごと又は1日の時間帯によって人員が変わっても、通所介護を行う時間帯を通じて配置されていれば、加算の要件を満たすと考えてよいか。

(答)
日ごと又は1日の時間帯によって人員が変わっても、加算の要件の一つである「指定通所介護を行う時間帯を通じて、専ら当該指定通所の提供に当たる看護職員(認知症介護実践者研修等の修了者)を1名以上配置していること」を満たすこととなる。

問31 認知症加算、中重度者ケア体制加算それぞれについて、認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲ以上の割合、要介護3以上の割合における具体的な計算方法如何。

(答)
認知症加算、中重度者ケア体制加算の算定要件である認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲ以上の割合、要介護3以上の割合については、利用実人員数又は利用延人員数を用いて算定するものとされているが、例えば、以下の例のような場合であって、中重度者ケア体制加算の要介護3以上の割合を計算する場合、前3月の平均は次のように計算する。(認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲ以上の割合、前年度の平均計算についても同様に行う。)

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① 利用実人員数による計算(要支援者を除く)
・利用者の総数=9 人(1 月)+9 人(2 月)+9 人(3 月)=27 人
・要介護3以上の数=4 人(1 月)+4 人(2 月)+4 人(3 月)=12 人
したがって、割合は 12 人÷27 人≒44.4%(小数点第二位以下切り捨て)≧30%

② 利用延人員数による計算(要支援者を除く)
・利用者の総数=82 人(1 月)+81 人(2 月)+88 人(3 月)=251 人
・要介護 3 以上の数=46 人(1 月)+50 人(2 月)+52 人(3 月)=148 人
したがって、割合は 148 人÷251 人≒58.9%(小数点第二位以下切り捨て)≧30%
上記の例は、利用実人員数、利用延人員数ともに要件を満たす場合であるが、①又は②のいずれかで要件を満たせば加算は算定可能である。
なお、利用実人員数による計算を行う場合、月途中で要介護状態区分や認知症高齢者の日常生活自立度が変更になった場合は月末の要介護状態区分や認知症高齢者の日常生活自立度を用いて計算する。

○認知症加算について

問32 認知症高齢者の日常生活自立度の確認方法如何。

(答)
1 認知症高齢者の日常生活自立度の決定に当たっては、医師の判定結果又は主治医意見書を用いて、居宅サービス計画又は各サービスの計画に記載することとなる。
なお、複数の判定結果がある場合には、最も新しい判定を用いる。

2 医師の判定が無い場合は、「要介護認定等の実施について」に基づき、認定調査員が記入した同通知中「2(4)認定調査員」に規定する「認定調査票」の「認定調査票(基本調査)」7の「認知症高齢者の日常生活自立度」欄の記載を用いるものとする。

3 これらについて、介護支援専門員はサービス担当者会議などを通じて、認知症高齢者の日常生活自立度も含めて情報を共有することとなる。
(注)指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成 12 年3 月 1 日老企第 36 号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)第二1(7)「「認知症高齢者の日常生活自立度」の決定方法について」の記載を確認すること。

問33 認知症加算について、認知症介護実践者研修等の修了者の配置が求められているが、当該研修修了者は、介護職員以外の職種(管理者、生活相談員、看護職員等)でもよいのか。

(答)
介護職員以外の職種の者でも認められるが、その場合、通所介護を行う時間帯を通じて指定通所介護事業所に従事している必要がある。
なお、他の加算の要件の職員として配置する場合、兼務は認められない。

問34 認知症加算について、通所介護を行う時間帯を通じて、専ら当該指定通所介護の提供に当たる認知症介護実践者研修等の修了者の配置が要件となっているが、当該加算の算定対象者の利用がない日についても、配置しなければならないのか。

(答)
認知症加算の算定対象者の利用がない日については、認知症介護実践者研修等の修了者の配置は不要である。
なお、認知症の算定対象者が利用している日に認知症介護実践者研修等の修了者を配置していない場合は、認知症加算は算定できない。

問35 旧痴呆介護実務者研修の基礎課程及び専門課程の修了者は、認知症介護に係る実践的又は専門的な研修を修了した者に該当するのか。

(答)
該当する。

問36 認知症加算の要件に「認知症の症状の進行の緩和に資するケアを計画的に実施するプログラムを作成すること」とあるが、事業所として一つのプログラムを作成するのか、利用者ごとの個別プログラムを作成するのか。

(答)
利用者の認知症の症状の進行の緩和に資するケアを行うなどの目標を通所介護計画又は別途作成する計画に設定し、通所介護の提供を行うことが必要である。

○中重度者ケア体制加算について

問37 加算算定の要件である通所介護を行う時間帯を通じて、専従で配置する看護職員の提供時間帯中の勤務時間は、加配職員として常勤換算員数を算出する際の勤務時間数には含めることができないということでよいか。

(答)
提供時間帯を通じて配置する看護職員は、他の職務との兼務は認められず、加算の要件である加配を行う常勤換算員数を算出する際の勤務時間数に含めることはできない。
なお、加算の算定要件となる看護職員とは別に看護職員を配置している場合は、当該看護職員の勤務時間数は常勤換算員数を算出する際の勤務時間数に含めることができる。

問38 重度の要介護者であっても社会性の維持を図り在宅生活の継続に資するケアを計
画的に実施するプログラムとはどのようなものか。

(答)
今までその人が築いてきた社会関係や人間関係を維持し続けられるように、家庭内の役割づくりのための支援や、地域の中で生きがいや役割をもって生活できるような支援をすることなどの目標を通所介護計画又は別途作成する計画に設定し、通所介護の提供を行う必要がある。

問39 通所介護を行う時間帯を通じて、専ら当該指定通所介護の提供に当たる看護職員を1名以上配置とあるが、指定基準の他に配置する必要があるのか。

(答)
当該事業所に配置している看護職員が現在、専従の看護職員として提供時間帯を通じて既に配置している場合には、新たに配置する必要はない。

○個別機能訓練加算について

問40 通所介護の個別機能訓練加算について、既に加算を取得している場合、4月以降は、利用者の居宅を訪問した上で利用者の居宅での生活状況を確認し、多職種共同で個別機能訓練計画を作成するまで、加算は取れないのか。

(答)
平成 27 年4月以降、既に加算を算定している利用者については、3月ごとに行う個別機能訓練計画の内容や進捗状況等の説明を利用者又は利用者の家族に行う際に、居宅訪問を行うことで継続して加算を算定して差し支えない。

問41 個別機能訓練加算(Ⅰ)の算定要件である常勤専従の機能訓練指導員として、病院、診療所、訪問看護ステーションとの連携による看護職員を1名以上あてることにより加算の要件を満たすと言えるのか。

(答)
個別機能訓練加算(Ⅰ)の算定要件である常勤専従の機能訓練指導員は配置を求めるものであるため、認められない。

問42 通所介護の個別機能訓練加算について、利用者の居宅を訪問し、利用者の在宅生活の状況を確認した上で、多職種共同で個別機能訓練計画を作成し機能訓練を実施することとなるが、利用者の中には自宅に人を入れることを極端に拒否する場合もある。入れてもらえたとしても、玄関先のみであったり、集合住宅の共用部分のみであったりということもある。
このような場合に、個別機能訓練加算を取るためにはどのような対応が必要となるのか。

(答)
利用者の居宅を訪問する新たな要件の追加については、利用者の居宅における生活状況を確認し、個別機能訓練計画に反映させることを目的としている。
このため、利用者やその家
族等との間の信頼関係、協働関係の構築が重要であり、通所介護事業所の従業者におかれては、居宅訪問の趣旨を利用者及びその家族等に対して十分に説明し、趣旨をご理解していただく必要がある。

問43 利用契約を結んではいないが、利用見込みがある者について、利用契約前に居宅訪問を行い利用者の在宅生活の状況確認を行い、利用契約に至った場合、個別機能訓練加算の算定要件を満たすことになるか。

(答)
利用契約前に居宅訪問を行った場合についても、個別機能訓練加算の居宅訪問の要件を満たすこととなる。

問44 個別機能訓練加算(Ⅰ)と個別機能訓練加算(Ⅱ)を併算定する場合、1回の居宅訪問で、いずれの要件も満たすことになるか。

(答)
個別機能訓練加算(Ⅰ)と個別機能訓練加算(Ⅱ)を併算定する場合、それぞれの算定要件である居宅訪問による居宅での生活状況の確認は、それぞれの加算を算定するために別々に行う必要はない。
なお、それぞれの加算で行うべき機能訓練の内容は異なることから、両加算の目的、趣旨の違いを踏まえた上で、個別機能訓練計画を作成する必要がある。

問45 居宅を訪問するのは、利用者宅へ送迎をした後そのまま職員が残り、生活状況を確認することでも認められるか。

(答)
認められる。

問46 個別機能訓練計画の作成及び居宅での生活状況の確認について、「その他の職種の者」は、機能訓練指導員、看護職員、介護職員又は生活相談員以外に、どのような職種を想定しているのか。
また、個別機能訓練計画作成者と居宅の訪問者は同一人物でなくてもよいか。
さらに、居宅を訪問する者が毎回変わってしまってもよいのか。

(答)
個別機能訓練計画については、多職種共同で作成する必要がある。
このため、個別機能訓練計画作成に関わる職員であれば、職種にかかわらず計画作成や居宅訪問を行うことができるため、機能訓練指導員以外がこれらを行っても差し支えない。
なお、3月に1回以上、居宅を訪問し、生活状況を確認する者は、毎回必ずしも同一人物で行う必要はない。

問47 利用者の居宅を訪問した上で、個別機能訓練計画の作成・見直しをすることが加算の要件であることから、通所介護事業所における長期の宿泊サービスの利用者は、訪問すべき居宅に利用者がいないため、居宅を訪問できない。
このような場合は、加算を算定できないことでよろしいか。

(答)
個別機能訓練加算は、利用者の居宅でのADL、IADL等の状況を確認し、生活課題を把握した上で、利用者の在宅生活の継続支援を行うことを評価するものであることから、このような場合、加算を算定することはできない。

問48 居宅を訪問している時間は、人員基準上、必要な配置時間に含めて良いか。

(答)
個別機能訓練加算(Ⅰ)で配置する常勤・専従の機能訓練指導員は、個別機能訓練計画におけるプログラムに支障がない範囲において、居宅を訪問している時間も配置時間に含めることができる。
生活相談員については、今回の見直しにより、事業所外における利用者の地域生活を支えるための活動が認められるため、勤務時間として認められる。

○地域連携の拠点としての機能の充実

問49 生活相談員の勤務延時間に、「地域の町内会、自治会、ボランティア団体等と連携し、利用者に必要な生活支援を担ってもらうなど社会資源の発掘、活用のための時間」が認められたが、具体的にはどのようなものが想定されるのか。
また、事業所外での勤務に関しては、活動実績などの記録を保管しておく必要があるか。

(答)
例えば、以下のような活動が想定される。
・ 事業所の利用者である要介護者等も含んだ地域における買い物支援、移動支援、見守りなどの体制を構築するため、地域住民等が参加する会議等に参加する場合
・ 利用者が生活支援サービスを受けられるよう地域のボランティア団体との調整に出かけていく場合

生活相談員の事業所外での活動に関しては、利用者の地域生活を支えるための取組である必要があるため、事業所において、その活動や取組を記録しておく必要がある。

○看護職員の配置基準の緩和

問50 病院、診療所又は訪問看護ステーションとの契約で確保した看護職員は、営業日ごとに事業所内で利用者の健康状態の確認を行う必要があるが、その場合どの程度の従事時間が必要か。
また、事業所に駆けつけることができる体制とは、距離的にどの程度離れた範囲までを想定しているのか。

(答)
健康状態の確認を行うために要する時間は、事業所の規模に応じて異なるため、一概に示すことはできないが、利用者全員に対して適切に健康状態の確認を行えるように病院、診療所又は訪問看護ステーションと契約を結ぶ必要がある。
また、事業所に駆けつけることができる体制に係る距離的概念については、地域の実情に応じて対応するため、一概に示すことはできないが、利用者の容態急変に対応できるよう契約先の病院、診療所又は訪問看護ステーションから適切に指示を受けることができる連絡体制を確保することでも密接かつ適切な連携を図っていることになる。

○指定通所介護と第一号通所事業を一体的に実施する場合の取扱い

問51 指定通所介護と第一号通所事業(緩和した基準によるサービス(通所型サービスA))を一体的に実施する場合の指定通所介護事業所の事業所規模の区分を決定する際の利用者数の考え方如何。
また、その際の指定通所介護事業所の利用定員の考え方如何。

(答)
1 指定通所介護と第一号通所事業(緩和した基準によるサービス(通所型サービスA))を一体的に行う場合は、指定通所介護事業所の事業所規模の区分を決定する際の利用者数には、第一号通所事業(緩和した基準によるサービス(通所型サービスA))の利用者数は含めず、指定通所介護事業所の利用定員の利用者数にも含めない。

2 指定通所介護と第一号通所事業(現行の介護予防通所介護に相当するサービス)を一体的に行う場合は、指定通所介護事業所の事業所規模の区分を決定する際の利用者数に第一号通所事業(現行の介護予防通所介護に相当するサービス)の利用者数を含めて計算し、指定通所介護事業所の利用定員の利用者数に含めることになる。

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