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2015年3月9日

医療者たちのアイデアピッチin福岡に参加しました。

昨日は一般社団法人Medical Studio主催の医療を変える、社会を変える:医療者たちのアイデアピッチin福岡に参加いたしました。

 

Medical Studioジェネラリスト・スクールのコミュニティ・ヘルスケア・リーダーシップ学科を受講された13名の方が登壇しプレゼンする場であり、弊社も初めて参加致しました。

登壇者がそれぞれ熱い想いでプレゼンを行い、フロアからブラッシュアップを目的とした質問も積極的に行われた会場は活気に溢れ、大変刺激を受けた一日となりました。

以下Twitterによる実況を時系列にまとめ、感想を記載しレポート化致しました。

①減酒キャンペーン(医師)

 

 

 

酒税による税収よりもアルコールに起因する問題に対する支出のほうが高いという見解から減酒指導を行う環境つくりを提案。お酒好きな男性にどのように保健指導の機会を作るかというのは、ターゲットこそ来ないというパターンになりやすいという懸念がある中で、ワイン会などの開催という逆転の発想は面白いですよね。

②業務改善プロジェクト(医師)

 

 

 

常に進化し続ける医療現場において、進化に合わせてシステムをも作り上げないといけないということだけでもスピードが求められる背景もあり、ゴールが見えないものなのかもしれませんね。 病院内では、医師のシフトを決めるだけでも大変であり、やはりどなたかが代わりとなってやっていく人を決める必要があるのかもしれませんが、医師ではないと気を使う部分もあるため難しい現状のようです。

③井戸端会議プロジェクト(医師)

医師の立場として、老後も元気に過ごせる健康維持の方向性の中、ソーシャルワーカーの方から寝たきり・認知症の肯定できる地域としての意見が上がったのは興味深かったですね。 それぞれの立場で患者さんと触れる機会から考え方も変わってくるということであり、医療者だけではなく、他業界や地域との連携があるとさらなる気付きが発生するのかもしれません。

④子どもホスピスプロジェクト(看護師)

 

 

出産における医療技術の発展があるという反面、救えた命も障害や病気を持ったまま生まれてくる子どもがいるという背景があり、その患者・家族を支えるプロジェクトとして壮大なテーマだと思いました。

⑤ほっとカフェプロジェクト(MSW)

余命を知ったうえで生き方を考える「死生観」をもった患者を支えるプロジェクトで医療ソーシャルワーカーの方ならではの経済的・心理的・社会的な悩み等の問題解決方法の一つとしての地域でのつながりをつくるホットな場所の提供を模索中。フロアからもどのように作っていくかという具体性に言及もありました。

⑥院内連携プロジェクト(OT)

医療現場でのゴールの統一を目指す上で意思疎通が難しい現状を知ることが出来ました。フロアからも同様なケースとしての取り組みを意見が聞くことが出来ました。

⑦くまもとジェネラル(医師)

 

 

 

ケーススタディも医療従事者だけでは議題を上げる事も難しく、実際に問題を抱えている患者・家族との意見交流の場を作る事を目指しているとの事から、ハングアウトオンエア(公開型ビデオ通話サービス)を利用して最大10名まで参加・さらには視聴者からコメントが出来るサービスを利用する方法を参考として私も発言いたしました。

⑧認知症や孤独患者の医療支援(MSW)

終末期を見守る取り組みは医療としても限界がある中で、地域や家族をフォローすることは可能かもしれないが、身寄りのない患者をどのようにしていくのかというテーマは、今後さらに増加されるであろう問題なのかもしれませんね。

⑨医療情報を患者に渡す(医師)

このプレゼンは個人的に一番刺激を受けた内容でした。医療情報を患者に渡すことで、どの医療機関からも継続した治療や別の方法のオプションも発見出来るという点。病歴や薬歴、健康状態、検査結果などなどを患者に渡すことで、効率化されるという視点で、医療クラウドを実現させたいという現場の医師の声を聞けたことはとても嬉しく思いました。 個人的に登壇者とお話して、医師不足と言われる現状においては無駄を省き、医師にしかできない事をさらに抽出することにより業務も緩和され医療発展にもつながるというお話に感銘を受けました。 また、別の開業医の先生ともお話し、実際には大病院で検査を受けた後、受診に訪れた患者に検査結果を尋ねたら「パソコンの中にあると思っていたので持ってきていない」と言われたことがあるというご経験なども伺え、医療データのオープン化が患者にも便利であるという実例も聞けたのも良かったです。 医療データをオープン化するためには、個人情報漏洩のセキュリティもありますが、データの吐き出し方を統一又はCSVやPDFなど共有しやすい形にしないといけないため、各システムメーカーへの協力も必要となってきますので、慎重に行っていかなくてはならないでしょうね。 ただ、今後はマイナンバー制度により、患者IDを医療機関で分けて管理する必要もなくなり、保険や氏名の変更に左右する事なく、患者のデータが一連管理出来る可能性も広がったので、早い実現が可能となってくるのかもしれませんね。

⑩地域密着クリニック開業(医師)

 

 

 

開業される先生方が目指す一つの形だと思いました。やはり、相談しやすい環境づくり、働きやすい環境づくりは大事ですよね。 個人的には、託児所と井戸端会議ができるカフェなどを併設するなどがあると環境づくりには良さそうだと思いました。

⑪地域・現場の医療環境の改善(医師)

 

現場を知る医師の方々からも同様に改善を求めている様子が見て取れました。やはり医療の進化に伴い、研修医も現役医師もスタッフもさらなる院内改善対策を求めていることがわかります。 限られた時間で新しい取り組みを行う際には、やはり無駄を無くす事が条件となりますので、導線設計を見直すことも必要になってくるのかもしれません。

⑫保険外での取り組みとの連携プロジェクト(管理栄養士)

 

 ※11人目⇒12人目

医療という分野は民間は参入しづらい背景があり、また独自での収益化を作る仕組みも難しい現状であるというのをわかったうえで情熱をもってプレゼンしていたのが印象的でした。 医療を最適化するためには、より高度な仕組みを構築していかねばならない事は国や自治体も望んでいることであるため、官民一体となった形が理想のような気がします。 医療従事者にしか出来ないことと、データベースを構築してIT化させて民間に委ねるという事は出来るのではと弊社も一役担えるようになりたいと思っています。

⑬セルフケア寺子屋(薬剤師)

 

  ※12人目⇒13人目


セルフ・ケア(セルフメディケーション)を推奨するにあたり、お寺で死生観に触れたり、また健康的な生活を提案する情報を提供する場としての寺子屋というプロジェクト。

登壇者が女性というのもあるが、家庭の胃袋を握っている女性をターゲットにしての交流など面白い取り組みだと思いました。

まとめ

13名の専門的なプレゼンを、頭をフル回転して前のめりで聞きましたので、疲弊しました(^^;)

医療という専門分野はどうしても無資格者は入りづらいというところから、このようにオープンな形で行われた発表の場はもっと増やしていければ良いと思います。

今や高齢化社会ではなく超高齢時代になっており、医療費、介護費、年金が圧迫され十分な医療サービスがなされない事が危惧されますが、民間・自治体・地域や家族で出来る事を増やしていく事により補完出来る仕組みが大事だと思います。

今はいろんなWebサービスがあり、働き方も変わってくる可能性がある中で、医療も同じように自宅でケア・フォローが出来る仕組みも可能だと思っています。

弊社なりに医療現場と一緒に考え、取り組んで行きたいと決意を新たにすることが出来ました。