医療事務の通信教育って意味あるの?

以前からAKBが通信教育で医療事務の資格をとるというCMが流れていてすごく違和感を持っていました。
医療事務というのは、受診した患者に対して病名、診療行為、処方などを記入したカルテの内容から、その日の診療報酬を計算し精算するという事の他、月末にレセプトを締めて、国保連合会、支払基金などに、保険者事に振り分け提出するレセプト業務、また受付という待合室での視野を効かせたコンシェルジュ的な患者サポートが必要な仕事です。
そのため、以前では手計算をしなければならず、月末には遅い時間まで残ってレセプト(診療報酬明細書)を作成し、月初に国保、社保、乳幼児、一人親、障害者などに分けて提出の準備を行っていました。
このような作業が伴うため、専門知識が必要であり、専門学校などがありますが、この通信教育については疑問をもってしまいます。
今や殆どの医療機関にはレセプトコンピュータ(レセコン)や電子カルテが導入されていて、入力さえすれば計算してくれるわけですし、手計算の方法を知らなくても出来るようになりました。
また、この計算方法については、2年に1度診療報酬の改定があるため、覚えたものが変わる事が多々あり、その度に医療機関のレセプトシステムはバージョンアップで対応するようになっているため、どちらかというとPCの操作が大事だったりするのです。
極端な話、その日の診察だけの計算であれば、予め医師の診察に合わせ、カスタム(マスター作成)されたものを用意しておけば、一つクリックしただけでその日の計算が終わるようなこともあります。
レセコンもレセプト作成においては簡単なレセプトチェック機能がついていたり、レセプトチェックソフトもありますので、それらを活用することにより請求漏れや返戻などは無くすことも十分可能です。
そのような意味では、現在は医療事務の専門学校にはレセプトコンピュータが準備されていて、その操作方法を学んだりしますが、この通信教育は未だに手計算方法を教えようというもの。
資格というのは、時代によって変わってくるものであり、実際は進化した現場からは、その資格よりも別の知識や技術が大事とされるようにもなってきます。
医療事務については、おそらく通信教育で資格を取りましたと言っても採用されるケースは稀だと思います。
ただ、医療機関側が請求業務は専門知識がいるという先入観があるため未だに医療事務の資格者という採用枠となっているケースが多いとは思いますが、今はシステム化されているので、一緒にやってくれる先輩事務の方がいれば、昔の慣習で採用を行う必要はないのではないでしょうか。
どちらかと言うと、柔軟な対応力、患者さんに気遣いが出来る気立ての良さが人選において重要なことだと思います。